6月議会定例会(2021年/令和3年度)

大久保清美 一般質問 質問項目

1.新型コロナウイルスワクチン接種について
( 1 )接種の現状と課題、今後の接種予定について
( 2 )在宅系サービス従事者及び障がい者支援施設の入所者・従事者への優先接種について
( 3 )保育士及び幼稚園・小中学校の教職員への優先接種について

2.東京オリンピック・パラリンピックのベルギー事前キャンプ受け入れについて

3.ロック・イン・ジャパン・フェスティバル2021について

4.東海第二原発の再稼働問題について

(詳細は市議会HP等をご参照ください。)

ひたちなか市議会6月定例会(一般質問)報告

4.東海第二原発の再稼働問題について

( 1 )東海第二原発の運転差し止めを命じた水戸地裁判決について

◎質問

3 月18日、水戸地裁にて「実行可能な避難計画及びこれを実行し得る体制が整っているというにはほど遠い。よって日本原電は東海第二発電所の原子炉を運転してはならない」という原告住民勝訴の判決が出ました。原発の半径30㎞圏に94万人が暮らすことを踏まえ「実効性ある避難計画や防災体制が整えられているというにはほど遠い状態で、人格権侵害の具体的危険がある」という理由です。福島原発事故の教訓を重く受け止めた、極めてまともで市民に寄り添う画期的な判決です。

そこで、市長にお聞きします。市長はこの判決の重みをどうお考えになりますか。また原電は、実効性のある避難計画ができないうちに、この判決を無視して再稼働できると思いますか。

●大谷市長の回答

大久保議員の4 項目目、東海第二原発の再稼働問題についてお答えいたします。まず、水戸地裁の東海第二原子力発電所運転差止等請求事件につきましては、東海第二原発の再稼働を目指す日本原電側に対して地元住民などが運転の差し止めを求めた訴訟で、去る3月18日に日本原電に対し、東海第二原発の運転の差し止めを命じる判決が言い渡されました。

その判決の中では、深層防護第1 から第4 までの防護レベルに係る安全対策について欠けるところがあるとは認められない。一方、避難計画等の深層防護第5 の防護レベルに係る安全対策については達成されておらず、PAZおよびUPZ内の避難対象人口に照らすと、今後これを達成することも相当困難と考えられるといった見解も示されたところでございます。

本市といたしましては、今後、東京高裁で行われる裁判の動向を注視するとともに、避難計画が水戸地裁の判決の論点の一つとなったことから、実効性のある避難計画とするため、山積している課題の一つ一つに対してしっかりと対策・対応を考え、検証していくことが必要であると考えております。引き続き実効性のある避難計画の策定に向け、国、県、関係自治体と情報共有を密にし、市民の安全確保を最優先として避難計画の策定に取り組んでまいります。

また、東海第二原発の再稼働問題につきましては、平成29年11月の首長懇談会の場で日本原電社長が、最終的に納得するまで協議を継続し、協議が終わらなければ再稼働はしないと明言しております。首長懇談会の6 市村といたしましては、平成31年2 月の首長懇談会において、安全対策等について一つの自治体でも納得できなければ議論は継続し、再稼働はしないという認識で一致していることや、今後日本原電が安全対策工事を進めたとしても、最終的な6 市村の判断によっては日本原電側が想定しない結果もあり得るということ、それらを含めて受け止めるよう、申し伝えているところでございます。

東海第二原発の再稼働問題につきましては、市民の安全、生活を最優先に、極めて慎重に判断すべきものであり、実効性のある避難計画を含め市民の安全が確保されない限り再稼働はできないものと認識しております。

( 2 ) 5 月10日の原子力所在地域首長懇談会について

◎質問

新聞報道によれば、当日の首長懇談会では、再稼働の前に設けられる「協議会」の議題について話し合われたとのことです。市民への情報提供の観点から、可能な限り懇談会の内容をお知らせください。

●大谷市長の回答

次に、去る5 月10日に開催した原子力所在地域首長懇談会につきましては、私ども懇談会が主導権を持って一連のプロセスに対応していくために、あらかじめ新安全協定に基づく協議会の運用方法等について、6 首長の間で意見交換をするため開催したものであります。懇談会においては、協議会の基本的な構成や仕組み、設置時期などについて、確認や意見交換を行いました。協議会の設置時期につきましては、日本原電による新安全協定第2 条の事前説明がいつ行われるのか不透明な中で決めるのは時期尚早との意見もあり、決定には至りませんでした。

また、協議会では、議論を進める上では、施設の安全対策はもちろん、事故発生時の防護措置となる避難計画の策定は、再稼働問題を議論する上で一体的に捉え議論していかなければならないものであり、原子力所在地域首長懇談会においても共通認識しております。協議会においては、施設の安全対策のみの議論ではなく避難計画を含めた防災対策についても議題とし、日本原電と協議を行っていくものと認識しておりますので、今後は事業者側にも同様の認識を持っていただくよう、働き掛けていく必要があると考えております。

また、広域避難計画についても意見交換を行いました。避難計画の策定におきましては、避難先自治体との調整や、複合災害を想定した対応など、実効性の確保にはたいへん苦慮しており、計画策定する上で重要となる事故想定や事故進展のシナリオの提供など、日本原電として避難計画に対してどのような協力、支援ができるのか、明確に示していただく必要があるという意見が出されたところでございます。本市といたしましては引き続き原子力所在地域首長懇談会の構成自治体と連携の下、新安全協定に基づき適正な対応を図ってまいりたいと考えております。

大久保清美 議会報告 第7号(2021.9月発行)PDF

定例会ごとに議会報告を発行しています。ダウンロードしてご覧ください。