3月定例会報告(2020)

大久保清美 一般質問 質問項目

3月11日(木)、一般質問を行いました。主な質問項目は次のとおりです。

1.東海第二原発再稼働に係る新安全協定の運用について

  (1)事務レベルの「連絡会」について

  (2)原子力所在地域首長懇談会(令和元年度第1回)について

  (3)住民に対する「工事説明会」について

2.広域避難計画の策定について

  (1)県内及び千葉県内避難先自治体との協議結果について

  (2)自治会ごとの避難先体験見学について

3.中高一貫校の設置について

  (1)地域の中学校の運営について


ひたちなか市議会3月定例会(一般質問)報告

このうち特に重要と思われる質問項目1.(2)の原子力所在地域首長懇談会について、大谷市長より以下の答弁をいただきましたので、ここに全文を掲載いたします。

●大谷市長の答弁

大久保議員の東海第2原発に関するご質問にお答えいたします。

去る2月18日に開催した原子力所在地域首長懇談会についてでありますが、2部構成で会議が行われ、第1部においては日本原電から安全性向上対策工事の実施状況や今後のスケジュール等について説明を受け、続く第2部においては、資源エネルギー庁及び内閣府からエネルギー政策や原子力防災対策について、それぞれ説明をいただき、意見交換を行ったというものであります。日本原電からの説明内容といたしましては、安全性向上対策工事の実施状況、主な安全性向上対策工事の全体スケジュール、使用前検査の概要、地域への理解活動についての説明がありました。安全性向上対策工事のスケジュールについては、われわれが昨年2月の懇談会以降求めてきたものであり、今回初めて2022年12月を完了時期としたスケジュールが示されたところであります。

さらに、使用前検査の申請については、今後の安全性向上対策工事を進めていくために必要となる申請であり、速やかに国に申請を行いたいとの説明がありました。使用前検査の申請書において使用開始予定時期を記載することについて、原電としては検査や再稼働の時期は当然現時点では未定であり、手続き上の記載として理解してもらいたいとの説明がありました。

また、地域への理解活動については、これまでもこのままなし崩し的に安全性向上対策工事に入ることは認められない、安全性向上対策工事をするに当たっては住民の方々に理解を求めるようにと申し上げてきたにもかかわらず、十分な説明がありませんでした。このことを受け、私からは地域への理解活動について、今後工事を進めるに当たり、この内容を丁寧に地域住民に説明しなければならないと考えるがどのように行っていくのか、また、住民が理解をするとはどういう状態と捉えているのか、原電の考え方を速やかに示すよう申し伝えたところであります。

6市村といたしましては、使用前検査の申請に使用開始時期を記載することについて、手続き上必要なことであっても住民の誤解を招く懸念がある、検査の申請が再稼働に直結するものではないということを、書面等で確約させる必要があるということを申し伝えております。さらに重ねて、使用前検査の申請及び住民への理解活動について、懇談会として説明は受けたが、この内容を認めたわけではないということを申し伝えたところであります。

また、改めて、今後安全対策工事を進めたとしても、最終的な6市村の判断によっては原電側が想定しない結果もあり得ること、それらを含め受け止めることを申し伝えたところであります。

東海第2原発の再稼働につきましては、周辺地域の人口や産業集積の状況、事故発生の際の甚大な影響などを総合的に勘案し、市民の安全・生活を最優先に、極めて慎重に判断すべき問題であり、実効性のある避難計画を含め、市民の安全が確保されない限り再稼働はできないものと認識しております。

この度日本原電から工事のスケジュールが示されましたが、判断の時期といたしましては工事の完了ありきではないことを、改めて申し上げるとともに、本市としてその時期は未定であると認識しております。原発の再稼働等に対する事前了解においてわれわれが求められることは、地元自治体として原発の技術上の安全対策の確認はもとより、万一の場合の市民の安全確保、避難の実効性等について、地域防災対策の観点から議会や市民の皆様のご意見を聞きながら判断を行うことであると認識しております。市といたしましては、今後市民の声をどのように聞いていくのか、市民の声をどのように捉えていくのか、具体的に検討を進めていくとともに、引き続き原子力所在地域首長懇談会の構成自治体と連携を図りながら、新安全協定に基づき適正な対応を図ってまいりたいと考えております。

質問項目1については、上に見るように、大谷市長から大変丁寧な答弁をいただきました。首長懇談会の様子が市民の皆様にもよくお分かりいただけたことと思います。そして、この首長懇談会からの申し入れに対し、4月14日付で原電側から、1.使用前検査は再稼働に直結しないこと、2.住民への説明を強化すること、以上の二点について確約する旨、文書で回答がありました。「使用前検査は再稼働に直結しない」とは、原電社長によれば、地元同意がなければ原子炉を起動して行う最終段階の検査(五号検査)はできない、という意味のようです。今後、この約束が順守されるよう、皆で注視して行きましょう。

 また、大谷市長は、再稼働の是非の判断時期について、「工事の完了ありきではない」、「実効性のある避難計画を含め、市民の安全が確保されない限り再稼働はできない」との認識を示した上で、「その時期は未定」と回答されました。さらに、再稼働の是非の判断材料としては、議会や市民の意見を聞きながら判断するとし、「今後、市民の声をどのように聞いていくのか、市民の声をどのように捉えていくのか、具体的に検討を進めていく」と回答されました。つまり、再稼働の是非の判断時期も判断材料も現在のところ未定とのことでした。今後も継続的に質問してまいります。

質問項目2の県内及び千葉県内避難先自治体との協議については、まだ緒に就いたばかりで、本格的な協議はこれからという回答でした。実効性のある避難計画を作るためには、この協議ひとつを取ってみても難問山積であることがよく分かります。今後も継続的に協議の進捗状況を質問し、皆様にお伝えしてまいります。

質問項目3について。勝田高校が中高一貫の中等教育学校になっても、市内のその他の中学校との格差は生じない、市内の中学校の運営には何ら支障はない、むしろ進学先の選択の幅が広がり、また、互いに刺激し合いながら切磋琢磨できるメリットがある、との回答を野沢教育長からいただきました。保護者の皆様、どうぞご安心ください。

大久保清美 議会報告 第2号(2020.3月発行)PDF

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