3月議会定例会(2021年/令和2年度)

大久保清美 一般質問 質問項目

1.新型コロナウイルスワクチン接種について
2.研究用原子炉「JRR-3」の再稼働について
3.東海第二原発の再稼働問題について

ひたちなか市議会3月定例会(一般質問)報告

1.新型コロナウイルスワクチン接種について

◎質問

コロナ禍に見舞われて1年余り、ようやくワクチン接種が始まりましたが、その供給は外国頼み。その結果、国際的なワクチン争奪戦に巻き込まれ、国の出す情報は二転三転、それに振り回されるのは自治体です。

さて、本市では接種体制として、いわゆる「練馬区モデル」と言われる個別接種と集団接種との併用に加え、「高齢者施設等における接種」も計画されているようです。大変すばらしいことだと思います。

ところで私は、高齢者施設等で多くのクラスターが発生していることから、高齢者施設等の従事者についても、ワクチンの接種順位を高めるべきと考えています。そこで「高齢者施設等における接種」の際に、従事者についても同時にワクチンを接種することを提案いたします。

●福祉部長の答弁

ワクチン接種は国の施策であり、国の指示のもと、都道府県の協力により市町村において接種を実施するものであります。国の方針として、まず重症化リスクの高い方から順に接種することで、重症者や死亡者を減らし医療提供体制を守ることを目的に、優先順位を決めております。

具体的には、医療従事者等、高齢者、基礎疾患を有する者、高齢者施設などの従事者の順となります。その後、16歳以上の一般の方に順次接種が行われる予定となっております。なお、1月28日付で国からの通知があり、高齢者施設などの従事者につきましては、高齢者施設内のクラスター対策をより一層推進するため、一定の要件のもと入所者と同じタイミングで従事者の接種を行うことも差し支えないとしております。

また、2月22日付で茨城県から、高齢者施設でのクラスターの発生を踏まえ入所者と従事者への同時接種を積極的にお願いするとの通知も届いております。本市といたしましても、同様の事例が発生していることから、高齢者施設の入所者および従事者に対する優先接種を選択肢の一つとして検討を始めたところであります。現在市内の高齢者施設に対し、接種希望の入所者および従事者の数や、委託医などの接種にご協力をいただける医師の確保状況など、接種体制の調査を実施しております。

今後も、引き続き国、県からのワクチン供給スケジュールや、供給量、優先接種に対する情報などの収集に努めるとともに、本市の実情に合った安心かつ円滑な接種が進むよう、接種体制の構築を図ってまいります。

◎再質問

ワクチン接種に関しては日々情報が更新されています。発言通告書を提出した時点(3月2日)では私自身そこまで考えが至っていなかったのですが、3月11日の国会政務調査会審議会において、立憲民主党は「すべての介護・福祉従事者をワクチンの優先接種対象とするよう求める緊急要請」を河野大臣、田村大臣宛に提出しました。

つまり、高齢者施設等のみならず、例えばデイサービスや訪問介護、ショートステイ等の在宅系サービス従事者も優先接種の対象に含めることを求めるものです。この点について、市はどう考えますか。

●福祉部長の答弁 

再度のご質問にお答えします。先週、自治体向けのウェブによる説明会がございました。その中で一つ示されたものが、ワクチン接種の順位における在宅サービス従事者に係る対応についてというものが出ております。この中で、地域によっては病床が逼迫し、やむを得ず自宅療養を余儀なくされる事態が生じており、こうした高齢者の患者などに対して、介護サービス、障がい者サービス、障がい福祉サービスを継続する必要があるという課題に対応するためということで、在宅サービスの従事者を高齢者施設の従事者に含めて優先接種の対象とすることは可能だというものが出ております。ただし、市町村でいくつかの条件をクリアした場合によるというものが付きますが、基本的には高齢者施設の従事者等に含めて優先接種することも可能だということでございます。

私の意見<br>
私の意見

県は4月19日、高齢者施設に加え、障がい者支援施設等の入所者と従事者についても年齢にかかわらず優先接種の対象とする方針を示しました。国会における立憲民主党の要請が実った形です。本市においても、この優先接種が実施されるものと期待しています。


ところで周知のとおり、日本のワクチン接種は欧米と比べ格段に遅れており、これは政府の失政と言わざるを得ません。本市健康推進課が4月20日に示した接種スケジュールによれば、医療従事者の接種完了予定が6月初旬、高齢者のそれが8月上旬、全員の接種が終わるのは来年の2月末となっています。


国が当初示していたスケジュールは後ろ倒しになるばかりで、そのうち現在のワクチンが新たな変異ウイルスに対応できなくなるのではないかと危惧されます。政府には責任をもってワクチンの早期供給に努めてもらいたいと思います。

2.研究用原子炉「JRR-3」の再稼働について

◎質問

日本原子力研究開発機構は2月26日、原子力科学研究所(東海村)の試験研究炉「JRR-3」を約10年3カ月ぶりに再稼働しました。JRR-3は規模は小さいですが、ウラン燃料を核分裂させる原子炉であることに変わりありません。事故が起きれば放射性物質が漏れる恐れがあるため、半径5km圏内の東海村、日立市、ひたちなか市(佐和、高野、小貫山、足崎、馬渡、長砂、新光町、阿字ケ浦町の8地区)には事故に備えた「屋内退避及び避難誘導計画」(以下、「避難計画」と略す)の策定が義務づけられています。

ところが現在、避難計画がまだできていません。私は避難計画が完成するまでは運転を止めるよう原子力機構に申し入れるべきと考えます。そこで質問ですが、避難計画はいつ完成しますか。また、市民が東海第二原発に係る広域避難計画と混同しないよう配慮することも必要ですが、市民への周知はどのように行いますか。

●市民生活部長の答弁

「屋内退避及び避難誘導計画」の策定におきましては、東海第二原発の広域避難計画同様に、検討を進めなければならない課題もあることから計画の策定は見通せていない状況であります。そのため、防護措置の基本的な考え方や避難先など、現時点において取りまとめられるものとして計画の「基本方針」を策定したところであります。

市民への周知方法としましては、市のホームページ、また、3月10日号の市報に「基本方針」の概要を掲載するとともに、令和3年度中には住民説明会を開催し、改めて避難先等を周知していきたいと考えております。

3.東海第二原発の再稼働問題について

(1)原子力アドバイザーについて

◎質問
第3次総合計画後期基本計画の中の原子力防災対策の取組方針のひとつに「原子力の専門家を原子力アドバイザーとして委嘱し、平時から原子力防災対策の強化を図るとともに、万一原子力災害が発生した場合には、専門的見地からのアドバイスを得て迅速かつ適切に対応してい
きます」という記述が見られます。

これを前期基本計画と比べると、「平時から原子力防災対策の強化を図るとともに」の部分が新たに加筆されていることが分かります。つまりこれは、これまでは主に有事の時にしか原子力アドバイザーの出番がなかったものが、今後は平時においても積極的に活用していこうという市の考えの表れとみなせます。私はこの姿勢を大いに評価したいと思います。今後の原子力アドバイザーの活用方法を具体的にお聞かせください。

●市民生活部長の答弁


本市では、平成11年9月の東海村JCO臨界事故の教訓を踏まえ、市周辺に所在する原子力施設等の原子力災害に備え、発災時において迅速かつ適切な対応の強化を図ることを目的として、平成12年8月にひたちなか市原子力アドバイザー制度を創設しています。原子力アドバイザー制度は、放射線の特性や原子力防護等の知識や経験を有する者を選任し、原子力施設等において異常事象が発生し、市が必要と認める場合において、災害対応に対する助言等をいただくことができる制度として運用してまいりました。

これまで平常時においても原子力アドバイザーとの意見交換会を開催してまいりましたが、東日本大震災以降、福島第一原子力発電所の事故の本市への影響や、日本原子力発電東海第二発電所の動向、原子力災害時における広域避難計画の検討状況などについて、意見交換を行うなど、専門的な観点からのアドバイス、助言をいただく機会も多くなってきております。

今後におきましては、東海第二原発の再稼働問題について住民の意向の把握が重要になってまいりますので、原子力専門分野外の学識経験者にも参画していただく必要があると考えております。そのため、今年度にひたちなか市原子力アドバイザー設置要綱の一部改正を行い、広く意見および助言を求めることができるよう選任の範囲を広げました。平時におけるアドバイザーの職務の範囲について、原子力施設の安全対策、万一の場合の避難の実効性等に係る地域防災対策に対する意見および助言が明確になるよう、記載を具体化したところであります。

今後といたしましては、東海第二原発の再稼働に関する一連の問題について、原子力アドバイザー制度を広く活用することにより、市としてどのように市民の声を捉えていくのか、そして、どう論点を整理していくのか、アドバイスや提案を求めながらその方策について検討を進めてまいります。

(2)広域避難計画に係る避難所の諸問題について

◎質問

昨年の6月定例会の一般質問でも触れたことですが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、昨年5月29日に国の「防災基本計画」が改訂され、県も市町村も広域避難計画に感染症対策を盛り込まねばならなくなりました。その結果、避難所では1人4㎡のスペースが求められるはずですが、県は今のところ、あいかわらず1人2㎡を基準としています。私は、一刻も早い是正を県に強く求めるべきと考えます。

ところで、1月31日付けの毎日新聞で「東海第二原発の事故に備えた広域避難計画をめぐり、原発の30km圏内から避難する人を受け入れる避難所が過大に見積もられていた。一部施設でトイレや倉庫などの『非居住スペース』を除外しなかったことなどから、2018年時点での収容人数が約18,000人分不足していた」と大々的に報じられました。

しかしまた、2月2日付けの東京新聞では「県によると、このうち、ひたちなか市と那珂市の計約6,900人分については調整はまだだが、避難先の割り振りを変更すれば対応でき、不足分はおおむね解消されている」とも報じられました。1人2㎡で計算する限りどうやら大丈夫そうですが、やはりこれらの報道に接して不安に思っている市民は多いことと思います。本市においては今現在どういう状況になっているのでしょうか。

●市民生活部長の答弁

東海第二原発の原子力災害に備えた広域避難計画につきましては、国の防災基本計画等に基づき、発電所から30km圏内に含まれる市町村が計画を策定することとされております。県では市町村の計画策定に並行して、平成27年3月に県計画を策定し、その中で、発電所から30km圏内の市町村の避難先を位置付けております。広域避難計画に係る避難先市町村の指定に当たって、県は避難者1人当たり2㎡の居住スペースを確保することを基本とし、あらかじめ避難先となる市町村の避難所の面積等を調査したデータをもとに、避難元の市町村の人口と照らし合わせて指定しております。

本市では、市民が避難先でも地域のコミュニティーが維持できるよう、基本的に小学校区を避難の基本とし、県から指示、提示のあった県内14市町村のデータを元に避難先の割り振りを調整してきたところであります。しかし、県が実施した再調査により、避難所の面積に一部トイレ等の非居住エリアの面積が含まれていることが判明いたしました。本市では、全体的な避難受け入れするには不足がないものの、当初割り振りを行った避難人数に対して、3つの避難先の自治体において不足が生じておりました。

本市といたしましては、昨年12月から1月にかけて避難先市町村に対して、体育館だけではなく武道場や空き教室なども居住スペースとして利用できないか調査するとともに、県の協力もいただきながら避難所の受け入れ可能人数の調整を行っております。現時点では、隣接する市町村の避難所を案内するなどの柔軟な運用をすることで、避難者の受け入れ態勢は確保できるものと認識しております。今後も、避難先市町村と引き続き避難者の受け入れ態勢について協議を行っていくとともに、避難する側の地域の人口が変動すること、また、避難受け入れ側の施設の統廃合などにより受け入れ態勢が変化することもあり得ることから、定期的に避難先施設の状況を確認するなど、避難先市町村と情報を共有しながら対応していく必要があると認識しております。

(追記)この質問の3日前の3月12日の報道によると、県は、東海第二原発で事故が起き、さらに自然災害等で当初の避難先での受け入れが出来なくなった場合に備えて、宮城県や千葉県など合わせて6つの県に94万人分の第二の避難所を確保したと発表しました。また、新型コロナウイルス等の感染症の拡大により当初の避難先の収容人数に制限が出た場合にも、第二の避難所の開設を要請したい、とのことです。

(3)東海第二原発の基準地震動について

◎質問(この質問は、水戸地裁判決の3日前に行いました。)

8年半にわたった東海第二原発運転差止訴訟は、いよいよ3月18日に水戸地裁で判決言い渡しとなります。争点は全部で11項目あり、その主なものは、1.老朽化原発であること。特にケーブル難燃化が完全でないこと。2.経理的基礎が欠如していること。3.基準地震動
が過少であること。4.耐震性が不足していること。5.シビアアクシデント対策が不備であること。6.日本一人口密集地帯で避難は困難であり、事故が発生すれば人格権を侵害することは必至であること、などです。


ところで、これらの争点の中でも特に重要な争点となったのが「基準地震動」です。基準地震動とは当該原発に到来することが想定される最大の地震動のことです。これを基準に耐震設計がなされることから、基準地震動を適切に策定することが耐震安全性の基礎要件となります。

ところが、この基準地震動を策定するための基のデータを原電は公開しません。すなわち、裁判を通じて原告住民側は被告原電の持っている地震動の敷地観測データの提出を何度も求めましたが、原電はデータ提出を拒否し続けました。なにか見られて都合の悪いデータでもあるのでしょうか。

しかし、これでは敷地の地盤特性等を反映した地震動を第三者が客観的に検証することはできませんし、それ故に原電の設定する基準地震動も耐震性も信用することはできません。なお、現在原電の設定する基準地震動は加速度表記で1009ガルであるのに対し、原告側証人の野津厚氏は、東北地方太平洋沖地震を教訓とするならば2000ガルの地震動に襲われることを想定すべきと具体的なモデルを示して主張しています。つまり、原電の設定する基準地震動が過少であるとの主張です。


また参考までに付け加えると、東海第二原発は当初は270ガルの地震動に耐えられるように設計されていました。それが全国各地で度重なる大地震のたびに泥縄式に基準地震動を引き上げ、現在の1009ガルになっています。しかし、半世紀前の設計思想と当時の技術水準で建設された原発に、本当に1009ガルの地震動に対し「十分な耐震性がある」と言えるのかどうか、それすらも大いに疑問があります。

いずれにせよ、第三者が検証できるように、原電には是非とも敷地観測記録を公開してもらわなければなりません。これは、安全性評価の観点からきわめて重要な問題です。そこで、市としてはこの問題にどう対応するか、お尋ねします。

●市民生活部長の答弁

原電が評価している基準地震動などの技術的な安全対策の確認につきましては、原子力規制委員会による新規制基準適合性審査を経た極めて専門的な内容であり、現在茨城県においても、東海第二発電所安全性検討ワーキングチームにおいて、東海第二発電所の安全対策に対する安全性の検証が進められているところであります。この県のワーキングチームにおきましては、地震学など各種専門分野の有識者が委員として選任されており、東海第二発電所の安全対策に対して議論がなされております。

その中で、平成31年1月に実施された国の審査内容に係る住民説明会および県民からの意見募集によって提出された様々な意見に加え、令和元年5月の第14回ワーキングチームまでに出された委員からの安全対策に係る指摘事項を合わせて、200を超える論点を取りまとめております。その中には基準地震動に関するものもあり、現在はこれらの論点に対して、原電や規制庁から意見を聴取し審議を進めていると伺っております。

市といたしましては、東海第二原発の再稼働に関する一連の技術的な問題については極めて専門的な問題でもありますので、県のワーキングチームの動向を注視するとともに、その内容について県と情報共有をしてまいります。

大久保清美 議会報告 第5号(2021.1月発行)PDF

定例会ごとに議会報告を発行しています。ダウンロードしてご覧ください。

令和3年3月15日 一般質問 大久保清美議員

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